卒業研究(4年次),大学院,ゼミナール(3年次)

 大学の教育の中でも学生と教員との距離が近い,卒業研究(4年),大学院ゼミナール(3年)についての内田研究室の方針は,以下の通りです.


卒業研究の概要

 生産工学部では,4年次に卒業研究(以下,卒研と呼びます)が必修科目として設置されております.4年生に進級した際,卒業研究着手条件を満たすと,各研究室に卒研生として配属され,卒研テーマの目的が達成するよう卒研活動に取り組んでもらいます.
 内田研究室では,専門の研究分野である照明に関する知識はもちろんですが,卒業後に必要となる以下の3つの能力についても修得するように取り組んでもらいます.

  • 問題解決能力
     卒研が順調に進むことは稀であり,いくつもの問題に直面します.問題を解決するためには,必要な情報を集めて検討したり,様々な方法や手段を用いて試行錯誤することが必要となります.これは,物事を成し遂げる力が身に付くことにも繋がります.

  • プレゼンテーション能力
     卒研生全員が卒研の進捗状況を定期的に発表をする場として,卒研ゼミを週1回(1人5分程度で報告),中間発表会を月1回(1人10分程度で報告)のペースで開催しています.
     発表の場を何回も経験することで,発表資料(配布資料)の作り方(文章表現やデータ処理),発表の方法(時間配分や構成),質疑応答の仕方を修得します.また,これは計画的な仕事の進め方が身に付くことにも繋がります.

  • コミュニケーション能力
     挨拶礼儀はもちろんですが,相手の話(意見)に耳を傾けること(尊重すること)お互いを気遣い助け合うこと(協調性)を,毎日(平日)の研究室での卒研活動,卒研ゼミや発表会,またイベントへの積極的な参加で身に付けます.また,これは先を読む力が身に付くことにも繋がります

 以上の3つの能力は,卒研生自身が研究室に毎日顔を出して真摯に粘り強く卒研に取り組むことで,自然かつ確実に修得できます.よって,卒研着手にあたり以下の2点について約束し,実行してもらえる学生の皆さんを心よりお待ちしています

  • 「照明」の分野(色彩や視覚を含む)の研究に大いに興味を持っており,卒業研究テーマに真摯かつ粘り強く取り組む,やる気と元気のある学生
  • 大学生活最後の一年間を,研究室での卒業研究やイベントを通して研究室のスタッフ全員と有意義に楽しく過ごすことを努める,研究室(研究)が大好きな協調性とマナー(一般常識)を身に付けている学生

 堅苦しいことや厳しいことを書きましたが,卒研生全員がこの研究室で楽しかった充実できた良かったなど,満足してもらえることが一番と考えております.


卒業研究の流れ(年間スケジュール)

 内田研究室での卒研活動に関する年間のスケジュールは,例年おおよそ以下の通りです.
 講義のある平日(月〜金)は卒研を行い,土日と祝日は自由(基本はお休み)としています.また,卒研の進み具合にもよりますが,学部の夏期,冬期,春期の休暇期間は,卒研生も原則2〜4週間程度の休み(卒研活動も可)があります.
 やるべきことはきちんとやり,休むときは休みましょうという方針です.

    4月卒研生配属決定,卒研テーマ決定(1人1テーマ),卒研活動開始
    5月卒研ゼミ(週1回の卒研の進捗状況の報告)がスタート
    6月卒研ゼミ,卒研中間発表会
    7月卒研ゼミ,卒研中間発表会
    8月研究室(卒研生)の夏休み(約4週間)
    9月卒研再開,卒研ゼミ,卒研中間発表会(学科主催)
    10月卒研ゼミ,卒研中間発表会
    11月卒研ゼミ,卒業論文の目次案の報告会,卒研要旨集原稿と卒業論文の書き方説明会
    12月卒研ゼミ,卒業論文要旨集原稿の提出,研究室(卒研生)の冬休み(約2週間)
    1月卒研再開,卒研中間発表会,卒業論文の下書提出
    2月卒研最終審査会のリハーサル,卒研最終審査会(学科主催),卒業論文提出
    3月研究室(卒研生)の春休み(約4週間),卒業式・学位記等伝達式

 卒研だけでなく,研究室内の親睦を図るため,もしくは卒研の報告会や発表会の反省会と称した月1回のコンパなどのイベントもあります.ちなみに,反省会を楽しく行うために発表会の準備を頑張っている(?)との声を卒研生から聞くことがあります.


大学院への進学について

 約1年間の卒業研究だけではなく,さらに深く研究に取り組みたい,または専門的な勉強を継続したいといった向学心のある方は,大学院への進学をお薦めします.
 文部科学省の統計調査結果によると,過去3年間(平成29年〜令和元年)の大学院在籍者数は全国で234,200〜237,400名であり,工学系はその内の約1/3以上(78,200〜79,500名)を占めております.このような状況を含めて,社会全体として学部の4年間だけではなく大学院で学んだ学生に対して大きな期待を寄せており,企業による求人の際には大学院卒のみを対象とする場合があります.よって,大学院への進学は後々の進路にあたり大変有利と考えられます.
 大学院(生産工学研究科)の入試は,毎年7月と3月に実施されます.詳細はこちらをご覧ください.
 大学院生としての生活や研究活動では,当然のことですが卒研以上の真摯な行動や心構えが必要であるとともに,計画の立案,継続して物事に取り組む姿勢,様々な角度から検討する能力が要求されます.また,学部生よりも年齢や経験で「先輩」となりますので,お手本となるような行動(態度や振る舞い)はもちろんのこと,適切な助言や指導する能力も求められます.すなわち,周りから信頼される人間性も必要となります.
 よって,上記のことを意識また実践しながら大学院生として生活を送ることで,修了時には深い知識物事に対する計画の立て方や取り組み方指導力を身に付けることができるだけでなく,人間としても大きく成長することができます.


卒業研究テーマと大学院の研究テーマ

 内田研究室の過去の卒業研究テーマと大学院の研究テーマ(修士論文)は,以下の通りです.
 また,大学院の研究や卒業研究におけるいくつかの成果は,学内外での研究発表会や学術論文で報告をしています.



ゼミナールについて

 電気電子工学科では,3年次の後半(第4クオーター)にゼミナール(以下,ゼミナールと呼びます)が設置されており,卒研の前段階と位置付けられています.
 そこで内田が担当するゼミナールでは,例年,以下のような内容を行っています.具体的には,照明に関することについて,なるべく手を動かして体験し,広く浅くでかまわないので知識を身に付けること,また課題を解決し,その内容について適切に報告できることを目指しています.

  @照明(色彩や視覚を含む)に関する基本事項の勉強会
  Aフルカラー(3原色)LEDを用いた点灯回路の製作とLEDによる光や色の理解
  B照度計や輝度計などの測光器を使った光の測定の体験
  C照明シミュレーションソフトウェアによる照明計算の体験と理解
  D課題の設定および課題の解決とその報告

なお,上記の5項目について,それぞれ以下の目的(ねらい)を設定しています.
  • 基本的な専門知識(照明工学)の修得:@
  • ものづくり(回路設計,はんだづけ):A
  • 問題を解決する方法や手段の経験と試行:B,C,D
  • 報告資料の作成とプレゼンテーション:D
 3年次の第3クオーターに「照明工学」の講義が設置されていますので,内田が担当するゼミナールを希望する場合は,当該科目の受講を強く推奨します.


その他(学生の皆さんへ)

 上記の内容に対する質問や,さらに詳しいことを聞きたい場合は,研究室(31-503)に足を運んで内田まで直接問い合わせてください.電子メールによる質問は,意思疎通が難しいことがあると考えておりますので,原則として受け付けていません.ただし,研究室の訪問を希望する場合は,電子メールで構いませんので事前にアポイントメントを取ることをお勧めします.